2010年06月21日

福岡。戦争。


僕の大好きな小説の一つ。
村上龍さんの「五分後の世界」。


五分後の世界 (幻冬舎文庫)








五分後の世界 (幻冬舎文庫)
著者:村上 龍
販売元:幻冬舎


村上氏はこの小説のあとがきで
自ら「最高傑作」と記している(当時)位で、
実際、その文章の勢いたるや、
村上龍の真骨頂という感じ。

内容はこうだ。

オダギリという男が迷い込んだ世界。

それは、第2次世界大戦後、
アメリカや英国、中国やロシアに国土を蹂躙され
国民のほとんどを虐殺された日本。

いまや、純粋な日本人は、26万人にまで減ってしまったが、

生き残った日本人は、多くの反省をもとに、
日本人のアイデンティティを貫きとおし、

世界最高峰の科学技術力、電子技術力を持ち、
世界に恐れられる戦闘能力を持ったゲリラ兵士を派遣し、
世界が熱狂する文化芸術の伝統を受け継いだ、
世界中の憧れの「国」として、
列国に占領された旧日本国土の
地下数千メートル(アンダーグラウンド)に存在していた。

グレーな現代社会に生きる主人公の
中年男性の目を通して、
国の矜持を示し続ける日本の戦いを描いている。

まあ、村上龍さんらしい、濃いメッセージが、
圧倒されるような筆圧で展開されます。



そんな、戦争を舞台とした小説を、読みなおしたばかりの
先日、めぐりあわせのような展示会を見た。

akarengakan

 

 

 

 

 

 





会社のそばにある、
「赤煉瓦文化会館」。

会社の先輩が、ここでやってると聞いて覗いて見た。


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福岡における戦争を考える、平和祈念資料展。


地元の方々が提供されていた
戦争当時のものが展示されていた。


たとえば、B29による
「福岡大空襲」で、何千発と降り注いだ、
焼夷弾(通称:ナパーム)



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一つの「母弾」に、この「ナパーム剤」が満載の
「子弾」が、48発も入っており、
それが着弾と同時に、周囲数百メートルを
火の海にする・・・。

だから、博多はこうなった。





yakenohara

 

 

 

 

 





 

ちょうど呉服町から、サンパレス方面を見た感じらしい。


なんもねぇ!
全部燃えてる!



他にも、実物初めて見たってのが
たくさん。


戦争に行く、地元の学生を送り出した幕。

nyuei

 
















tenji















「千人針」とか「鉄かぶと」とか、
すべて福岡の街に、残っていたもの。




しかも、
実際に触れて欲しいということで、
むき出しの展示。



「五分後の世界」の中の、
現代人の主人公が戦場にほおり出され、

「気が狂いそうになる」描写が
あまりにもリアルで、
読んでいて自分までおかしくなりそうなシーンがあるけど、

これをリアルに体験した人が、
60年くらい前に、何十万人もいたのだ。

しかも、この街に、この地に。




小説の中で、生き残った日本の兵士が言う。
「生きる目的は、生き残ること」



いまさら、戦争反対だの、なんだの書くつもりは
ありません。


ただ、

生きるのが難しいとか言われる今の時代、
「生き残る」ことが目標でない時点で、
幸せだと思わなくちゃと。


そう思った展示会でした。

なんで、3日間しかやってないんすか!?









cromagnon69 at 23:50│Comments(0)TrackBack(0)日常インサイト | 心意気系

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