2015年11月01日
僕は「オズの世界」にいた。
僕は2003年に、今いる「BBDO J WEST」という
外資系広告会社に転職してきた。
では、その前は、どこで働いていたのかというと、ここ。
熊本県荒尾市にある「グリーンランド」遊園地。
当時は、三井鉱山の子会社だったので、
”三井グリーンランド”
という名称だった。
今は、西部ガスさんが株主となり「三井」は消えた。
僕はその「三井グリーンランド」に、
1992年春に「新卒」で入った。
同志社大学 経済学部を卒業して、
「なんで、そんな田舎の遊園地に就職したの?」
は、当時、いや今でも「鉄板&定番」の僕への質問だ。
僕の就職活動は「1991年」。
バブル崩壊を、世の中が把握できておらず
まだまだの売り手市場。
僕は、超大手を含め7つの内定を持っていた。
その中から、様々な事情が絡んで
「田舎の遊園地」に就職したのだった。
そして、1992年〜2003年までの11年間、
僕は「三井グリーンランド」という、
巨大な「地方の遊園地」の遊園地マンとして働いていた。
「遊園地」で働いていた!
というと、これまた「鉄板&定番」で言われるのが、
「え?何してたの?キャラショー?切符切り?」
という類のものだ。無理もない。
さすがに、近頃は「東京ディズニーランド」の
「伝説のサービス!」とか「スタッフ活用術!」的な本も
乱発していて、巨大な外資系テーマパークの裏舞台には
かなりいい感じでスポットライトもあたっているが、
さすがに、地方の遊園地の裏方スタッフについては、
誰も気にしてはいないはずだ。
いや、きにする必要がない気がする。笑
しかし、皆さん。
ちょっと言わせてもらっていいですか?
11年、地方の巨大遊園地で働いた僕に言わせると、
この仕事は、物凄いシゴトです。
数えたらキリがないような企画を、
皆でやってました。
わかりやすいところをあげると、
新世紀が始まった2001年当時だけで例をあげれば、
「身長40m 実物大ウルトラマン(2001年)」
これは、企画担当者が英国の会社に発注。
僕は、英国に「九州ウォーカー」と「めんたいワイド」さんを同行して、イギリスに行きました。
「モーニング娘。」野外ライブ(2001年)
僕が招聘責任者で、ゴルフ場に巨大なステージ組んで、1日2回のライブでした。すごかった!
そうです。このシゴトは、わかりやすく言うと・・・・
億単位のお金を使える
文化祭実行委員会!
という表現が完璧です。
ただし、ビジネスだし、社会的責任もあるしですがね。
とにかく、お客が呼べるなら、何をやってもよかった!
苦しいけど、面白くて仕方なかった!
例えば、普通の花火大会で1時間くらいかけてあげる
8000発の花火を、5〜6分で、一気に連発であげてみよう!というチャレンジでは、想像を絶する状況が繰り広げられたりとか(あんまし、言えません^^;)
考えられない事件が
めちゃくちゃ起こってました(笑)!
それに加え、
企画面だけではなく、
年間当時で、100万人ものゲストが来てて、
ゴールデンウイークは、1日6万人とかいう日もあった。
つまり、
お客様が織りなすドラマが、
半端なかった。
現行犯で捕まった「子連れ」のスリ。
突然行方不明になる「おじいちゃん」。
爆弾を仕掛けたという昼下がりの電話。
駐車場の・・・いや、もうこれまたキリがないのです。
この遊園地時代の思い出は、
いろいろな人と酒の席でお話しすると、盛り上がります。
単なる「面白い話」としては、かなりのクオリティな気がするのですが、その場のネタとして使っていました。
しかし。
一人だけ、その場で終わらない人がいました。その方は、
小森陽一さん。
小森さん、ご存知ないですか?
漫画原作者/小説家として活躍されてます。
漫画だと「海猿」とか「エス〜最後の警官」の原作者です。
これらは、映画やドラマになりまくってますよね。
「S(エス)-最後の警官-」
この作品は、TBSでドラマ化され、映画にもなりました。
この、小森さんが、僕の「地方遊園地の舞台裏話」を飲みの席で話した時に、顔が変わりました(笑)。
そして後日、小森さんに電話をいただき(小森さんは福岡在住!!)、
爽やかに言われました!
「その話を、物語にしてみたい!」
2014年の秋でした。
そう、ちょうど一年前!!!!
その後、一緒に、グリーンランドに同行したり、
当時の僕の後輩たちと飲んだりしました。
そして、2015年11月20日!!!
地方の巨大遊園地におこる物語が、
集英社から書き下ろしの文庫小説として発刊されます!
「オズの世界」
先に、原稿を読ませていただきました。
内容紹介はこれ^^
主人公は、
ディズニーランドで働くことを夢見ていた
久瑠美ちゃんという都会育ちの女の子。
しかし、就職後、彼女が配属された先は、
九州のローカル遊園地だった!?
都会と田舎のギャップに困惑しながら、
主人公が、地方の遊園地で人を感動させることに目覚める
成長物語!
残念ながら、僕がいたころの「三井グリーンランド」には、この「久瑠美ちゃん」のような娘はいませんでしたが、周りを固める登場人物は、かなりリアル!!!
はっきりいって、僕もいます!笑
今まで「地方の遊園地」を扱った物語は、
ありそうでなかった気がします。
都会と地方のギャップ。
「東京ディズニーランド」では、こんなことありえない!
とか愚痴りまくりながらも、「地方遊園地」の本当の魅力に気づいていく主人公。
単に、自分がかかわったから!というのではなく、幼少時代に連れて行ってもらった「地方の遊園地の思い出」がある、すべての方々に読んで欲しい!そんな素敵な素敵な物語です!
しかも、ラブストーリーです!
また、発売間近に、ギャーギャー言いますね!
お楽しみに!