カドカワ
2015年10月26日
規模を追うのではない企業統合。
そろそろ年末調整や確定申告のために、
「保険料控除証明書」が届く時期になってきました。
「貴様は、我が社に、保険料を年間にこ〜んなにもはらってくれてるので、証明するよ。」
という書類で、これがないと「税金が還付」されないので
ちゃんと保管するのですが・・・。
一応、プロモーションの仕事とか、
フリーペーパーの編集長とかしてる関係上、
今の社会の変化とか、価値観や新しい会社や働き方・・・
みたいなものに、敏感な方だと思うのですが、そんな僕が、
「あ〜あ。なんだかなぁ〜」
って、強烈に近年思うのがこの時期なのです。
それは、なんだと思いますか???答えは、
”金融機関の名前”です!
僕は、保険屋さんの担当を、長年変えていないのですが、その方が所属する保険会社が、だんだん変わってきて現在の社名は、これです。
東京海上日動あんしん生命保険株式会社
です。
とうきょうかいじょうにちどうあんしんせいめいほけんかぶしきかいしゃ
・・・ですよ。冷静に見ると、ギャグです。
バブル経済後の、金融機関再編と言われた時期から、
ず〜っと来て、気がつくと、銀行や保険会社の名前は
えらいことになってませんか?
西鉄福岡駅を出て、会社に向かおうと、パルコの前を渡ると、
三菱東京UFJ銀行
があります。三菱と東京とよくわからないUFJです。
そして、僕が所属する「BBDO J WEST(この社名も長い!笑)」がお世話になっているビルの持ち主は、
損害保険ジャパン日本興亜株式会社
もう、落語の「寿限無」レベルじゃないかと!!!
もう「新規名称」じゃなくて「名称連結」しただけやん!と。
なんか、こういうシーンが浮かびます。
重厚な役員会議室。
合併後、何十度目かも忘れるほど繰り返されている名称会議。
各合併会社から来た偉い人たちが、いかに、自分のとこの名前を残すべきかを名誉をかけて熱弁する・・・。しかし、そのためには相手の会社もたてて妥協点を見つけていく。
結果、よし!全部の会社の名前を繋げよう!
お〜!いい案だ!
じゃ、順番は、わかりやすく財閥系の名前から初めて・・・
っていうつらい過程があったことが、火を見るよりも明らかに伝わってきます!笑。
あ、旧財閥系の「三井」と「住友」が重なる「三井住友銀行」は、
英語では、「SMBC」。つまり、SUMITOMO MITSUI で順番を入れ替えてバランスを取っているように思えます。笑。
たいへんなのです。
これに比べると、「みずほ銀行」は潔いですよね。
2002年に、「第一勧業銀行」と「富士銀行」「日本興行銀行」が合併した銀行です。
よくぞ、
日本一富士興行勧業銀行
とかにしなかったねって、ほっとしますね。
ただ、記憶を辿ると、僕の中で一番「ナイス!」と叫んだ合併名称もありました。
それは、1990年に、三井銀行と太陽神戸銀行が合併してできた、
「太陽神戸三井銀行」という名称を変更したもので、
まだ、銀行の合併が珍しかったのですが、なんか日本を代表する銀行な気がして好きでした。
しかし、その後あっさりと「三井住友銀行」に変わってしまいました。
見るとわかるように、
「東京海上」という名称や「三井」「三菱」「住友」という旧財閥系の名前は、絶対に残さねばならない!という、圧倒的な力が働くんだろうなぁ〜!とか、池井戸潤一さんの、短編小説ネタにでもしてほしいような気分になります。
と、そんな中、近年金融機関に限らず、いろんな企業が合併したり、統合したりしますが、自分的に最もすごい!と感じたのは、薬師丸ひろ子さんが機関銃ぶっ放して、「カイカン」と言ってくれたころから、名前は知っている「角川」と、現代の象徴メディアとも言える「ニコニコ動画」を生み出した「ドワンゴ」の経営統合。
その統合会社の正式名称として、10月1日に発表された名称は、
は?
は?
「ドワンゴ」は?
という質問に、「カドカワ」の「ド」と「ワ」は、「ドワンゴ」からとりましたと。笑
今、個人的に最も話をお聞きしたい、この「カドカワ」の社長の川上量生(のぶお)さん的に、はっきり言って、名前なんてどうでもいいでしょ?って言ってる気がしてしょうがない。
(カドカワの川上代表!若い!)
そんなことより、何するかでしょ?的な投げかけ。
「明らかにブラックぽいのに、表面だけ取り繕ったようなふざけた名前があるじゃん。ニコニコローンとかニコニコ金融とか。だからニコニコ動画。」
というきっかけで「ニコニコ動画」になったってwikipediaにあった。
かっこいい。
川上さんは、ちょっと前のテレビのインタビューで、「角川」と合併して、何をするのか?という質問に、「何するか、今わかるようなら統合しても仕方ない」と言い切ってるのをみて、感動した。
「カドカワ」と、金融機関の名称を比べてどうのこうのを言いたいわけではなく、自分がいる業界に近いところでは、今後もこういう
「(いい意味で)何をしようとしているか、よくわからない統合」
ってのが、どんどん出てくるような気がする。
その「何するかわかんない」と言っていた、川上さんが先日すごいことを発表してた。
全く新しいネットの高校「N高等学校」。
これは大マジの取り組み。
”不登校生は日本の潜在的な財産である”
ネットの高校。
リアルな校舎も沖縄に作るそうだ。
人口が減っているのに、不登校生は増加している。
けど、そんな若者たちにも、ネットがある現代は、様々な適性や活躍の可能性がある。
と言っている。
「川上氏が語るデジタル時代の適性」
金融機関の合併は、規模だ。
規模の大きさは、そのまま信用でもある。
一方、「カドカワ」における、
「角川」と「ドワンゴ」の統合は何と説明すればいいんだろう。
「角川」の膨大かつ強力なコンテンツを、
「ニコニコ動画」という、ネット界の怪物に融合させて・・・・
的な話だけではない。
だって、「カドカワ」が、高校作るとか、
想像もしてなかったですもん!
この「N高等学校」から、
数年後、日本を救う「超天才」が輩出されるかもしれないです。
今後も、単なる「コラボ」ではなく、
そこ合併して、何するん!
みたいなことが、頻繁に起こるきがしますね。
「業界」っていう言葉は、どんどん曖昧になっていく気がするし、そういう考え方を持って進む企業が、勝利をつかむんだろうなって思います。
なんか、自分がいる「広告会社」の分野が、
どんどん取り残されていくような気がする。
あなたの「業界」でおこる、おもろい統合って、何か考えてみては??
あ、その時、会社の名称は、長くならないように
割り切って考えよう!!!