ネーミングライツ

2013年05月26日

地方都市のブランド企業とは、こういうことだ。


 一昨日、日経新聞の端っこにこの記事を見つけた。


小林製薬
「ガリガリ君」の梨の香りを追加


全然意味わかんねぇ。

そう思って詳しく記事を読んだら、
小林製薬さんが出してる消臭芳香剤「消臭元」に
アイスで御馴染み「ガリガリ君」の梨の香りを
追加したという記事だった。
いつもの通り、ソッコー画像検索すると・・・

garigari



 

すげぇ。
絶対「アイスキャンデーではありません」って
書いてあるなって思ってたら、

画像は「ソーダの香り」とな!
き、き、去年からコラボしてたとは!


世の中、いわゆる「コラボ」は、
メーカープロダクトの新機軸の常套手段であり、
また、我々広告代理店が、苦し紛れに考え出す(笑)、
「あそこと組めませんかね?」という
無責任なアイディアフラッシュ時の中にも頻繁に見られます。


で、このコラボとはちょいと違うけど、
自治体の大きな収入、またはデカい施設の
デカいスポンサー獲得の方法として定着しているのが

「ネーミングライツ(命名権)」
企業や団体がお金を出して、その施設の命名権を買う
というシステムです。


中でも、プロ野球の球場名は大人気です。

同志社大学で関西に通っていた僕でも、
「京セラドーム(2006年7月より)」

osakadoom11













といわれても、それがあの大阪ドームのことだと
理解するまで、数年かかってたし、

我らがソフトバンクの福岡ドームも、
「ヤフードーム」になり
今は「ヤフオクドーム」になってますね。

大きなお金を出す企業としては、
多くの人が集まる施設に名前を付ければ
自社の名前を、イベントの度に言ってもらえます。
そうやって、認知度を上げる!っていう狙いは
最も普通の考え方だけど、企業の狙いは、

「施設名としてニュースで社名を言ってもらえる」

ですね。

広島カープで御馴染み、
「広島市民球場」は、現在は
「マツダ ズームズームスタジアム広島」です。
これなんか、広島市民に
「今夜、マツダズームズームスタジアム広島行こうぜ!」
「その店は、マツダズームズームスタジアム広島の近くだよ!」
と言ってもらおうとか、MAZDAさんは、
全然期待してないですよね。笑

ただ、
プロ野球場という、必ず毎日夜のスポーツニュースで
試合結果とともに、呼称される試合会場名。


全国ニュースで、常に「MAZDA」という社名が
露出することに価値を感じているのでしょう。


こうした、デカイ話の他にも、
我らが福岡県に本社がある「プレナス」さん。
そうお弁当の「ほっともっと」さんですが、
ここは、
「神戸市総合運動公園」を「ほっともっとフィールド神戸」
なんて付けてたりしてます。
関西マーケット攻略戦略の一つであるとともに、お弁当は、生活密着だし、じっくり効果を待ってる感じでしょう。
(ここに、ほっともっと買ってピクニックいくと、なんか、うまそう:笑)



しかし、ネーミングライツというのは諸刃の剣で、
企業名ついたせいで、
全然わけわかんなくなったり
地元の味みたいなもんがなくなったり

弊害もた〜くさんあるようです。

具体的に書きませんが、
wikipediaで全国のネーミングライツ一覧を
見たりすると、

「これ駄目でしょ!」

的なもんが沢山あって、笑えます。


そんな中、産経ニュースで見つけた一件。

神奈川県鎌倉市が、
地元の海水浴場のネーミングライツを売り出しました。
これを、10年:1億2千万円で購入した会社、
「鳩サブレー」が有名な鎌倉市の老舗のお菓子屋「豊島屋」さんのニュースは秀逸です。

「豊島屋」さんが権利を獲得したと聞かされた時、
多分、市民のみなさんはこう思ったかもしれません。

hato













「あ〜、鳩サブレー海岸になんのかな〜」

しかし、ここの社長さんはハンパないです。

同社の久保田陽彦社長は15日の記者会見で
「『鳩サブレー海岸』にはしたくない」と笑顔で話し、商品名は使用しないことを明らかにした。

(msn産経ニュースより)

結局、鎌倉市民の公募で決めるらしい。

かっこ良すぎる。

たぶん、社長さんは、
よくわかんない商品名などになるかもしれない可能性から、
地元の海岸のネーミング権を守るために購入したとしか思えません。
お金は出すけど、納得いく名前を市民でつけようと。

もしかすると、
もとの「由比ガ浜」とかに戻るかもしれないけど、
多分、この社長さんはそれでいいと思っている。


そして、
こういうことが出来る会社は、
地方都市で、ものすごく尊敬され、
しっかり残って行くんだろうなって思う。


我々は、
地方都市でコミュニケーションしていくのがお仕事です。
こういうニュースを聞くと、地方都市で大切にせねばならないものは、小賢しいマーケティングなんたら以上に、こういうことじゃないかと思ったりします。

全国のブランドの作り方とは全く違う、
地方都市でのブランドの「あり方」。

たぶん、鎌倉市も財政の関係で
命名権を募集するに至ったのでしょう。

そこで、
世の中の潮流の、
当たり前の流れを前に
ちょっと立ち止まって、
「全うなこと=地元の海岸を変な名前から守る」
を普通にやる。

多分、地元のわかってる人は、かなり感動されてることは
想像に難くありません。
この久保田社長の話は、
僕にはものすごいメッセージに思えるのですが
いかがでしょうか?






cromagnon69 at 21:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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