マスナビ

2014年02月24日

ぼくらの新・国富論


先日、(株)マスメディアンさんが主催するイベントで、
広告業界を(うっすら:笑)志す学生さんたちが
実際、広告業界で働いてる人に話を聞くという趣向の
「マスナビセミナー」で、お話する機会をもらいました。

自己紹介した後に、
アイスブレイクの意味を込めて、
僕は学生たちの方へと入っていきます。

「君、希望の広告会社はあるの?」
「 はい!電○九州さんに入りたいです!」

「ほ・・・ほ〜・・・じゃ、そっちの彼女は?」
 「がんばって、○通九州さんを受けたいと思ってます」


いい度胸じゃねぇか!てめぇら!
全員まとめて、性根叩き直してやる!
オモテへ出ろ!!!!
そう言って僕は、持っていたレジュメを
力一杯、床に叩き付けたのでした!



 ・・・というのは嘘で、
僕は満面の笑みで「なるほど〜!」って良いながら、
演壇に戻りました。
 
彼等が言った会社は、最大手。
やはり、イメージも、期待感も、そして安心感も大きい。
学生達が、皆そういう希望を言うのも
全然無理は無いのです。



で、そんな、この講演をやった次の日、
僕の元にこんな本が届きました。

写真 (5)

今、キレッキレのコンサルタントとして、
よく雑誌GQとかにも出てる「並木裕太」さんの本。
JALや、楽天イーグルなど、どんどん良くなった
企業の影に、並木さんの会社があったりする。

実は、我が「BOND Vol.04」にも登場いただいてます。

NAMIKI

”君たちコンサルは、我々の手段がなくなって、
 やむを得ず協力を要請する、つまりステップ
  1、2ときた次の「ステップ3」なんだよ!”


と言われたことが心から離れず、大手のコンサルを辞めて、
ステップ ゼロを、信念にすえた会社を立ち上げたと・・・

詳しくは、著書にゆずるとして、
この本の冒頭は、こんなデータから始まっていた。

アメリカの学生の就職人気ランキング
第1位:Google
第2位:ディズニー
第3位:アップル

これに対して
日本の学生のランキングは
第1位:日本生命
第2位:東京海上日動
第3位:第一生命
(日経のデータらしいです)

つまり、アメリカの学生が「エキサイティング」という
価値観で企業に希望を寄せるのに対して、
日本の学生の最大の価値は「安心」であると。


この結果を皆さんはどう思いますか?

いい悪いは別として、
全てにイノベーションが求められる時代に突入している今、
国の未来を考えると、日本はちょっと不安な気がします。

そして、なぜそうなっているのかと?

表紙に書いてある様に、
ここから「ヴェンチャー」というテーマを元に、
アメリカと日本の、起業環境の比較を元に、
様々な知見が述べられています。
特に面白かったのは、実際にシリコンバレーで
エンジェルと呼ばれる人に認められ資金を調達した
日本人の起業家たちのストーリー。
これは、非常にリアルでワクワクしました。

さらには、話は「若い起業家」についてだけではなく
一般的な企業にも話が及んでいます。


皆さんの企業ではどうでしょうか。

「革新的な事業を考えねば!」
「今までとは、違うやり方をせねば!」


と常に社内会議で提議されたり、
酒の席で熱く語ったりしていながらも、

実際は、「まだなんとかなってる」ので、
それに甘えて、ズルズルと結局同じことをやってる。
何も、レボリューショナルなことが起こりそうにない・・・


こんな状況を、どう打破していくのか?


そうした実例の中で、原因の仮説として、

日本において「失敗」とは、
「取り返しがつかない」「一度失敗したら終わり」というイメージが頑然と有る事。

というのがありました。


40代の自分には、すごくわかる。
一度失敗すると、もう全部ダメなような「雰囲気」で
生きてきた気がします。

確かに、カバーできないような失敗はいかんけど、
ある程度の失敗を許容する仕組み、許容する社会。

福岡が、スタートアップシティという政策を掲げています。
そういう、大丈夫な【雰囲気】がある街は、
たぶんチャレンジングな人が集まるのではないかと。


様々な人によるイノベーションへの
チャレンジの結果としての失敗。
これを受け入れる雰囲気のある街。
失敗しても、また復活しろよ!っていう雰囲気を
この街が作れれば、
さらに人が集まるのではないかと思いました。




冒頭の大学生への講演から2週間後。
担当の人から、講演後のアンケートが贈られて来ました。

写真 (4)

約30名の学生さんが寄せてくれたアンケートの
すべてが、大変参考になった、参考になった
に印がついてました。うれしかった。


そして、感想を読むと、
何人かが同じような感想を書いてくれてました。

”小柳さんの、失敗談が参考になった”
”失敗を、後に笑いにかえられるように・・・”

僕は、ある大手のクライアントさんの
100万部の印刷物を間違えたことがありました。
それが判明して、解決するまでのストーリーが
かなり響いたようでした。

やっぱり
皆失敗がコワイ。
僕もコワイ。

それを、少しでもヘッジしてあげられる社会が
チャレンジとイノベーションを産み出す社会に
なるのかなと思いました・・・。

ま、本当は、失敗なんぞきにしねぇ!
っていう本人の肝があればいいんすけどね!


長くなりましたね。
ぜひ、本読んでみてください!












cromagnon69 at 20:56|PermalinkComments(4)
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小柳 俊郎