麻生知事
2011年04月07日
すべての責任は己に帰す。
2011年4月4日 21時20分ごろ。
アクロス福岡3F:こくさいひろばに作られた
「ヂカギキ」特設会場には、
「おつかれさまでした!」という
150名の声が響きわたった。
それは、
4期16年という長きに渡り
福岡県知事を続け、また、全国県知事会長など
福岡を全国に存在づけるような形で
がんばっていただいた、
麻生県知事へのお礼の言葉だった。
「ヂカギキ」1STシーズン完結スペシャル
として開催した、「ヂカ知事」こと、
ゲスト:麻生県知事の会が終了した。
最後に相応しく、会場は超満員。
しかし、そのふくらみ続ける会場を見ながら
開始前の僕は、ガラにもなく、超緊張していた。
通常、このようなイベントの前には、
県職員の方が、知事にイベント内容を
説明する、知事へのレクチャー・・・
いわゆる「知事レク」なるものが
行われる。
「ヂカ知事」の5時間前、
僕は、県知事執務室に通された。
「ヂカギキ」の「知事レク」のためだ。
しかし、周到に準備していった我々スタッフに
知事は開口一番こういわれた。
「ヂカに聞くから、ヂカギキなんだろ?
ぞれを事前に打ち合わせるたぁ、
ナンセンスだ!終了!」
豪快に一喝!笑
脇とか背中に、
季節外れの汗を感じながら
僕は、覚悟を決めた。
「俺が試される。笑」
半ば呆然としている私に
知事は追い打ちをかけてきた。
「そもそも、
このイベントの主旨はなんだ?」
少し、遠くへ飛んでいた自分の意識を
強引に引き戻して、僕は説明した。
「今の若者たちは、この不確実な時代の中で
どうしていいか悩んでいる部分があるのは
間違いありません。
だから、何かをやり遂げてきた人に
言葉をヂカにもらうことで、その悩みに
少しでも指針を見つけてもらえればと
思っています。」
・・・いいぞ、俺!
言葉はつたないが、要はそういうことだ!
知事、わかっていただけましたか!?
すこし、自分の言葉にホッとしたのもつかのま!
知事の目に、ギラリと光が走った。
「ほ〜・・・しかしね小柳くん。
若者が悩みを感じていない時代など
有史以来、一度もないだろう?
甘えたらいかん。
ま〜いい!何でも聞け。答えられることは
答えるから!」
30分のはずの知事レクは、3分で終了した。
「こ、これは手強い!」
・・・・・ということがあったから、
開始時点では、どうなるか全く予想が
つかなかった。
そして、ヂカ知事スタート!
最初の、戸畑での幼少時代の質問。
これに対し、知事が10分ほどお話をされた。
「いかん。独演にしてしまっては、ヂカギキじゃない」
そう焦っているのを、見て取った方も多数
いたことでしょう。ごめんなさい。まだまだ甘い。
しかし、そこは百戦錬磨の知事。
途中から、僕の質問がストーリーに
なっていることを感じられたのか、
僕の質問に、
程よい長さで、密度の濃いお話を返す・・・
というパターンに自然と治まっていった。
東南アジアへ出征し、
その後ラバウルの収容上に入り
実に7年後に、無事生還した、知事のお父さんの
お話しは、かなり凄い話しだったし、
また、福岡や北九州も戦時中、大空襲で、
完全な焼け野原になった姿が、
子供時代の目にやきついている知事は、
逆に、その復興の過程も見てきたと。
(福岡大空襲の後)
だから、日本人は、かならず復興できる!と
力強く言われてていた。
「福岡にとって、最大のブランドは何ですか?」
という質問には、
アジアである。
と断言し、
福岡から世界を目指すためには?
の質問には、
世界に通用する人材の
教育である!
と為政者らしいことば。
うどんを3口で食べるという(笑)早飯で、
今も奥様と腕を組んで歩くという逸話も披露。
どんどん、会場が、知事に親しみを覚えて
いっているのが、手にとる様にわかるのが
心地よかった。
あ〜。
16年も自分の県の県知事を
やられていた人のことを、
どんだけ、知らなかったことか?と。
そして、知った時には、
麻生知事は、知事を退任されるのだ。
少し、残念な気がした。
そして、聞いた。
16年、福岡県のトップを張ってきた
麻生知事に聞きたかった質問だ。
「リーダーの条件は?」
少し考えた後、知事はこういう話をしてくれた。
昔、知事の先輩である人からの言葉で、
「すべての責任は己に帰す」
というのをを、鮮烈に記憶していると。
つまり、うまくいかなくても
「あいつが悪い」「景気が悪い」
「売り方が悪い・・・」
こんなこと言ってるやつは、
一生、一流にはなれんと・・・・・
つまり、責任をとれる人になれと。
当たり前のこと。
これを、我々の胸に残しているというのは、
麻生知事の72年の人生の重なりと、
福岡県民への愛なんだろうなと思った。
ヂカ知事の後、
打ち上げにも参加していただいた知事。
京大→通産官僚→知事
率直で無駄がない、スマートな話口は
少々お酒が入っても変わりませんでした。
あ、それと豪快さも:笑